ドピカーン観音寺2009作品紹介第二弾!
今回は、佐々瞬氏の作品「○○の為のサバイバル」について。
この作品は、ある男(佐々氏)が、見知らぬ街(観音寺)に流れ着いたところから始まるサバイバルストーリーをベースとしたインスタレーション作品です。
展示会場となっている柳町商業センターの広場では、佐々氏が、“辿り着いた場所での1からの生活”を実践しています。その空間には、家や家具、のりもの等が制作されています。また同時に、その「生活」を、作者自らが主人公なった映画として制作し、作品空間に上映されています。
つまり「1からの生活」によって生み出された「もの(家・家具・乗り物等)」と、それらが作られた軌跡を描いた「物語(映画)」、そして生活者である「男(作者本人)」が、1つの空間の中に同時に存在しているのです。
街中に突如現れたその異質な状況は、見る者に想像を超えた違和感を与えます。しかしながら、1つ1つ作品の中身をひもといていくと「生活する」「生きる」ということに対して純粋に向き合う作者の姿勢と、その状況から生み出されていく事象に、とてもリアリティーがあり、自然な行為、ハプニングであることに気付く訳です。
普段我々が当然のように受け入れている「社会」、そして「生活」というものを、一から見直し、本来生活するということとは何か、生きるということは何か、という誰もが漠然と抱える問題意識に問いかけながら、ポジティブ且つアクティブに制作を続ける佐々氏の生活そのものが、作品となっているように感じます。
今回の作品は、地域、人、もの、風景など観音寺という場の持つポテンシャルをふんだんに活かした作品でした。ますます発展しそうな予感のする作品!
今後の佐々氏の展開にさらに期待したいと思います。