ドピカーン観音寺2006二十九日目。
香川県は真夏日が続いております。
本日は、まずアートステーションの紹介から。タノタイガさん制作の「ヤナギマ道場」。
このスペースは、この商店街に数ある洋品店の一つでした。
数年前まで人が住んでいたようですが、その頃から雨漏りやシロアリの被害が強烈だったと隣近所の方からもっぱらの評判。この過酷な状況の中で美術家タノタイガさんは、滞在(寝泊まり)している訳です。
この「ヤナギマ道場」は、大きく二つの空間に分けられます。一つはギャラリーゾーン。この空き店舗でのアートステーション制作は、このギャラリーゾーン制作からスタートしました。そして現在はタノタイガ作品「ボーダーラインプロジェクト」の展示を行っています。これに関しては、とにかく一度この場に来てみていただきたい。彼の多彩な表現活動そのものに興味を引かれることは間違いありませんが、そのユーモラスな発想と鋭い視点に、誰もがにんまりと笑みを浮かべてしまいます。
そしてもう一つのスペースは、オープンスタジオ。ここはタノさん自身の作品制作もさることながら、一般市民に解放して使ってもらおうとまで考えた空間です。また、彼がこの街を行き交う様々な方々と積極的にコミュニケーションを取って来た結果、このスタジオは、今や憩いの場所と化しています。この場所をきっかけに、今回の企画内容やこの街事態に関して理解を深めた方も少なくないでしょう。
彼が制作した「ヤナギマ道場」は、単にアートに触れる、体験する場ではなく、そうした人と人、そして人と街を繋げる「集いの場」として機能しているのです。
こうしたアーティストならではアイディアや仕組みが、この街に少しでも定着していくことができれば、この街の文化振興に大きく寄与することは間違いないだろうと実感させられました。
このアートステーション「ヤナギマ道場」は8月5日まで公開しておりますので、まだお越しでない方はぜひぜひお越し下さい!
<本日のおまけ>
今日は朝、実行委員会の中心人物の一人でもある大矢さんがコーチを務めるサッカー少年団の見学へいってきました。私たちが活動のフィールドにしている柳町商店街から一番近い小学校のチーム。ここで練習している子ども達の中には、ルカさんのワークショップに参加してくれた子や学校帰りにアートステーションへ遊びに来てくれる子がたくさんいました。
そんな彼らに囲まれて、優しくそして時には厳しく子ども達と接する大矢さん。サッカーの指導者というよりはむしろ教育者。現在私たちがここ観音寺で行っている文化事業はこうした粋なおじさま達の情熱によって日々動いている訳です!